artspace and cafe

桃山 鈴子 展
─イモムシのひらき─

2025.11.19(Wed)-12.07(Sun)
11:00~18:00(最終日は16:00 まで)
月・火曜休廊
軽食とソフトドリンクもお楽しみいただけます。

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 桃山鈴子の絵には勿論芋虫をひらくという表現方法そのものに大きな魅力がある のだけれど、初めてその絵に接した時に感じたのは「描線」ならぬ「描点」の迫力 というか宇宙観というか、ああなんてこった、芋虫を点で開くと宇宙になるのか! というものです。
 そしてその描点の集合体に乗せられて、まるで知らない、いや知ってはいたけど ここまでは視えてなかった所に見る人を運ぶ絵ぢからの強さよ。柔らかいのに強い。
 誰もが知ってる芋虫を桃山さんは、見る人を「いや知ってたけどもここまでは見 えてなかったです」という立場に置いて、丁寧にやさしく情熱を持って新しい視点 の提案をしてくれた。
 新しい視点を手に入れるというのはまったくもって簡単な事じゃないですし、そ れを共有してくれるのもまた簡単ではない所業です。凄い人が出てきちゃったなー。
 色もまたいいのです。シンプルに奥深い。桃山さんが自然を撫でるように接して る色と質感の捉え方がよくわかる。乾いているけどその皮層のすぐ下は湿っている。 美があって醜があり、生があって死があり、広がりがあって閉じている。桃山「描点」 は宇宙を描き切ろうとしてる。ゆっくりと、しかししっかり踏みしめるその脚で自 然の中を歩きながらひたむきに。
 私たちはそれを固唾をのんで見守っていく。

寺田 克也(イラストレーター・漫画家)


桃山 鈴子 Suzuko Momoyama
イモムシ画家。東京生まれ。幼少期をニューヨーク郊外で送る。虫の飼育は小学生時代から。昆虫学の授 業で顕微鏡を使った観察スケッチを学んだことが絵の原点になっている。
著書
『わたしはイモムシ』工作舎 2021
『へんしんーすがたをかえるイモムシ』福音館書店 2022
『六四五七五 虫の絵と俳句』堀本裕樹/桃山鈴子 毎日新聞出版 2025
受賞歴
HB ギャラリーファイルコンペ vol.29 藤枝リュウジ賞
Gallery House MAYA 装画コンペvol.19 準グランプリ
『わたしはイモムシ』でNY ADC 101st Annual Awards ブロンズキューブ
『へんしんーすがたをかえるイモムシ』がブラチスラバ世界絵本原画展2023 の日本代表の一冊に選ばれる

■ライブイベント■
「原 正夫の 歌・空・間」
Vocal・入澤 博子
Piano・原 正夫
Bass・東條 勝
11/23(日)14:15 開場 15:00 開演
2,000 円(ワンドリンク付)
定員・30 名 要予約
お問合せ・0284-82-9172
※当日の午後は展示はご覧いただけません。