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企画展

清水晃 × 谷川晃一展 織り込まれる夢

2019.11.16(Sat)-12.15(Sun)

11:00~19:00(最終日は17:00まで)
月・火曜日休廊
●軽食とソフトドリンクもお楽しみいただけます。
●16日(土)17:00より清水晃さんと谷川晃一さんのアーティストトークを開催します。
(18:30より作家を囲んでの懇親会を予定:会費1,000円。)

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「夢」は、多くの芸術家が取り上げてきたモチーフの一つですが、それは、現実のものではないのにリアルな夢という存在が、人の意識の領域から生まれる芸術の性質と重なり合うからなのかもしれません。そもそも人にとって夢とは何なのか。
私たちが自己の無意識の領域を垣間見る数少ない機会が夢であることは確かでしょう。この、夢の源がしまい込まれた無意識の部分は、私たちが生きてきた「生」そのものがもとになっていると考えると、夢という存在も、日常の出来事と相並ぶ、もう一つのリアルな生であるともいえるでしょう。
清水晃(1936-)と谷川晃一(1938-)による展覧会「織り込まれる夢」は、人の意識の奥底に眠るさまざまな記憶、思考、感情をもとに表されるイメージをテーマにして、80歳を超えてなお、精力的に制作を行っている二人の美術家によって行われる展覧会です。
清水晃は、制作の当初から、富山で過ごした少年時代に体験した、生に関わる様々な出来事を夢になぞらえて作品としてきました。たとえば、冬の富山湾で起こる、「鰤起こし」と呼ばれる猛烈な風雪と激しい雷鳴や、大漁で水揚げされる魚の煌めきなど様々な光の記憶が、今にいたっても作品に表されています。
谷川晃一は、青年期には記号をモチーフにした作品を制作していましたが、1960年代には、無意識の領域や即興性を探りながら、自由に線を描くことをきわめた作品へと移り、さらにその後は、街の情景や動物の姿などで構成されるものや、自然をテーマにしたものへと変遷しながら制作を続けています。
二人が作品として描き出す夢を、色彩豊かな縦糸と横糸とすると、これらが織り込まれて姿を表す展覧会の場は、夢のかたちで現れる両者の生が織りなす、光と色彩に満たされた織物にたとえることもできるでしょう。その夢に触れることで、私たちも自分自身のリアルな生を、しばし夢想することができるのです。

足利市立美術館学芸員 篠原誠司



清水晃 Akira Shimizu

1936年、富山県に生まれる。58年、上京しメッキ工場で働く。62,63年、第14回および第15回読売アンデパンダン展に出品。63年、第7回シェル美術賞展に《色盲検査表》を出品し一席となる。68年、土方巽・大野一雄演出の高井富子舞踏公演「まんだら屋敷」のポスター、衣装を手がけ、以後舞踏に携わる。72年、画廊春秋にて個展開催。以後同画廊にて個展を重ねる。2000年、足利市立美術館および三鷹市美術ギャラリーで、2012年には埼玉県立近代美術館で大規模な回顧展が開催された。


谷川晃一 Koichi Tanikawa

1938年、東京都に生まれる。13歳の頃から独学で絵を描き、58年、第22回自由美術展に出品。63年、第15回読売アンデパンダン展に出品。64年、内科画廊で初の個展を開催。65年、ゾンネンシュターンの絵画に感化され、無意識・即興・原初性を重視して描くようになる。この頃から美術批評も手がけ、以後、美術制作と文筆活動を平行して行う。88年に制作拠点を東京から伊豆高原に移すと、自然をテーマに描くようになる。絵画や文筆のほか、立体、絵本など活動は多岐にわたる。