artspace and cafe

Polyphony -県南の風音-

2020.2.22(Sat)-2020.3.22(Sun)

11:00~19:00(最終日は17:00まで)
月・火曜日休廊
●軽食とソフトドリンクもお楽しみいただけます。
●参加費無料イベント
「太古の響き」3 月8 日(日)13:30~
(陶製創作楽器による演奏と即興の舞)
 演奏者:篠﨑孝司 下門高子 相馬弥生
 舞:野村裕子

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※ポリフォニー(polyphony)。多声音楽。複数の異なる声部が、それぞれ異なるピッチとリズムを持つ旋律を奏でる音楽。

今回、縁あって栃木県南部に位置する足利市では、ルンビニー園とかしわ荘、小山市からは、パステルという知的障がい者施設で日頃創作活動をしている作家の皆さんの作品展を開催する運びとなりました。(一部、個人で参加頂いている方もいます。)今回の展覧会が、私達が自然の声を聴きながらもっとゆっくりと歩く事の大切さを少しでも気付ける機会になれば幸いです。

ルンビニー園アートディレクター 篠﨑孝司



知的障がいを持つ人々が描く絵画はアウトサイダー・アートと呼ばれたり、アール・ブリュットと呼ばれたりしていますが、知的障がい者とそうでは無いと言われる私たちの間に境界(ボーダーライン)というものは存在するのでしょうか?
知能指数をひとつの指標としてある数値で両者を区分けることは出来るかも知れません。またこの社会での暮らしやすさをひとつの指標として区分けることも可能かも知れません。しかしそこにどのような意味が存在するでしょうか?私たちは物と物を区分けることがとても好きです。それは私たちにとってそのほうが物事を理解しやすいからです。また物や事に名前を付けることも私たちの区分けるという癖のひとつの表れといえます。野山の草木の名前も私たちが勝手に付けたもので、彼らが自らに付けたものではありません。もともと物や事に名前はないのです。
知的障がいを持つ人々の描く絵画は私たちを強く魅了します。社会に対する細かな気遣いにある意味抑圧されることなく、自己肯定のひとつの表れとして描かれる絵画は、私たちが社会で上手く生き抜くために捨ててきた美しい物で満ち溢れています。知的障がい者と呼ばれる人々と健常者と呼ばれる私たちの間にボーダーラインは存在するのでしょうか?もし存在するのだとしたら、それはきっと私たちの心の中にです。

造形家・artspace & café 代表 岩本圭司