吉増剛造展
眼ハ千ノ黒点二裂ケテシマエ!
2023.5.27(Sat)-2023.6.18(Sun)
11:00~18:00(最終日は16:00 まで)
月・火曜日休廊
軽食とソフトドリンクもお楽しみいただけます。
※画像クリックでPDFが開きます
足利市立美術館をはじめ沖縄県立博物館美術館、渋谷区立松濤美術館など国内6ヶ所の吉増剛造展(2017~2018年)の展示デザインをさせていただいた後、
我がartspace&caféでも毎年定点観測のごとく吉増展を開催させていただいている。
弊廊における第4回目の吉増展となる本展の特徴のひとつが初めて大岡信を取り上げていることにある。
昨年、大岡信研究会の西川敏晴氏より吉増に講演依頼があり、私から吉増に繋いだ。
そこから吉増は大岡の本を1ヶ月に渡り熟読し、大岡の提唱する「うたげと弧心」に「放心」という新たな視点を加えた。
今年1月その講演を盛況に終え更に2ヶ月、吉増は大岡の本を読み込み先日12分の映像に仕上げた。
初日のパフォーマンスでも使用することになると思われるこの映像を、本展では50インチモニタを使い展示壁の中央に展示する。
本展のもうひとつの特徴が吉増の生原稿を透明なフィルムに転写し展示すること。
吉増が定期的にYouTubeに投稿してきた映像「gozoʼs DOMUS」をご覧になったことがある方はよくご存じと思うが、
ほぼ毎回透明なフィルムにプリントされた人物が登場する。
その画像が白い紙などでなく透明なフィルムにプリントされていることで、人物はその場の空気に溶け込み、
心音を響かせ呼吸する(これは吉増の詩の在り方そのもの)。
そこで今回、過去に吉増の周りに存在してきた幾多の人物ではなく、吉増自身をプリントの対象にしてみたいと考え、
吉増そのものともいえる生原稿をフィルムに転写し展示するという一種の「お遊び」を提案させていただいた。
このプランを「透過する視座」のようなものと葉書でお伝えしたところ、翌日、その百倍も美しい言葉が吉増から返ってきた。
それが本展のタイトル「眼ハ千ノ黒点二裂ケテシマエ!」である。
岩本圭司(造形家・artspace & café 代表)
吉増剛造 Gozo Yoshimasu
1939 年東京生まれ。慶應義塾大学国文科卒業。
在学中から詩作を始め、1964 年の第一詩集『出発』以来、先鋭的な現代詩人として国内外で活躍。
同時に詩の朗読パフォーマンスを行い、80年代からは銅板に言葉を刻んだオブジェや写真作品を発表。
2016年には個展「声ノマ全身詩人、吉増剛造展」を東京国立近代美術館で開催。
2017~18年には、個展「涯テノ詩聲(ハテノウタゴエ)」(2018年)を足利市立美術館、
沖縄県立博物館・美術館、渋谷区立松濤美術館で開催。
2018~19年には、福島県内の3館、福島県立博物館、はじまりの美術館、埴谷・島尾記念館文学資料で吉増剛造展を開催。
2019年、Reborn-Art Festival(石巻市)に参加。2020年より、「葉書ciné」をYouTubeにて配信。
2021年『詩とは何か』(講談社現代新書)『Voix』(思潮社)出版。
■ライブパフォーマンス■
弊廊における第 4 回目のパフォーマンス!
日時:5月27日(土)15:00~
出演:吉増剛造
定員:25名(要予約)
料金:3,000 円(ワンドリンク付)